もう何年も、毎朝食パンを焼いてカフェラテと一緒に食べるのが習慣になっています。食べ終わるまでの15分ほどの時間がとても好きで、一日の中でも至福のひとときです。カフェラテは長年ずっと同じメーカーの同じ味のものを選んできました。ところがある日ふと食品表示を見てみると、「アスパルテーム」「アセスルファムK」という文字が目に入りました。「添加物…」という言葉が頭をよぎり、あまり良いイメージが湧きませんでした。実際のところ何が悪いのか、疑問に思って調べてみることにしました。
甘味料の種類
人工甘味料とは
人工甘味料は、化学的に合成して作られる甘味料で、アスパルテームやアセスルファムK、スクラロースなどが代表的です。少量でとても強い甘みを出せるため、カロリーオフの飲料やお菓子によく使われているようです。
天然由来の甘味料とは
天然由来の甘味料には、ステビア(植物由来)やラカンカ(羅漢果由来)、エリスリトールなどがあります。ただし「天然」といっても、実際には植物から成分を抽出・精製する工程を経ているものが多く、「自然のまま」というわけではないと分かりました。
ステビアやラカンカは長い食経験があり、国の機関からも安全性が認められています。エリスリトールも比較的安全とされてきましたが、2023年に「血中濃度が高い人ほど心疾患のリスクが高い」という研究結果が発表され話題になりました。天然由来だからといって、必ずしも「絶対安全」と言い切れるわけではなさそうです。
よく見る甘味料の正体
アスパルテームとは
アスパルテームは、アスパラギン酸とフェニルアラニンという2つのアミノ酸からできている人工甘味料で、甘さは砂糖の約200倍です。アミノ酸からできているため体内できちんと代謝され、実は砂糖と同じ1gあたり4kcalのカロリーがあります。ただしごく少量で強い甘みを出せるため、実際に摂取するカロリーはほとんど無視できるレベルになるようです。加熱に弱く、長時間熱を加えると甘みが弱くなる性質もあり、焼き菓子よりも飲料や卓上甘味料に使われることが多いと分かりました。
また、アスパルテームにはフェニルアラニンが含まれるため、「フェニルケトン尿症」という体質(生まれつきフェニルアラニンをうまく代謝できない病気)の人は摂取を避ける必要があります。そのため、アスパルテームを含む食品には「L-フェニルアラニン化合物を含む」という表示が義務付けられているそうです。
2023年には、世界保健機関(WHO)の関連機関(IARC)がアスパルテームを「ヒトに対しておそらく発がん性がある(グループ2B)」に分類し、ニュースになりました。ただし同じタイミングで、WHO/FAOの専門家委員会(JECFA)は「これまでの1日摂取許容量(体重1kgあたり40mg)を変更する必要はなく、通常の摂取量なら安全」という見解も出しています。「発がん性の可能性がある」という分類と、「今の量なら安全」という評価が同時に出て、少し混乱しやすいニュースだったようです。
アセスルファムKとは
アセスルファムカリウム(アセスルファムK)は、1967年にドイツで偶然発見された人工甘味料で、甘さは砂糖の約200倍です。体内でほとんど代謝されず、そのままの形で尿として排出されるため、カロリーはほぼゼロとして扱われます。熱だけでなく酸性・アルカリ性の環境にも強く、幅広い食品や飲料で安定して使えるのが特徴のようです。
単体では後味にわずかな苦みや金属的な風味を感じることがあるため、スクラロースやアスパルテームなど他の甘味料と組み合わせることで、より砂糖に近い自然な甘さに調整されていることが多いと分かりました。過去に発がん性を懸念する研究もありましたが、その後の規制機関による見直しで、現在は「安全」という評価に落ち着いているようです。
スクラロースとは
スクラロースは、1976年に開発された人工甘味料で、砂糖の分子構造の一部を塩素に置き換えることで作られています。甘さは砂糖の約600倍です。消化・吸収されにくい構造をしているため、体内に入ってもほとんどそのまま排出されると言われていて、カロリーはほぼゼロとして扱われます。熱にも強いため、焼き菓子や加熱調理をする食品にも使いやすいという特徴があるようです。
他にもある人工甘味料
今回調べた3つ以外にも、人工甘味料の中で最も歴史が古い「サッカリン(サッカリンナトリウム)」、アスパルテームを改良した「ネオテーム」、さらに強い甘さを持つ「アドバンテーム」などがあると分かりました。パッケージでこれらの名前を見かけたときも、人工甘味料が使われていると判断できそうです。
甘味料は体に悪いって本当?
各国の機関は「安全」としている
日本の食品安全委員会やアメリカ・ヨーロッパの規制機関は、認可されている甘味料について、決められた摂取量の範囲内であれば安全だとしています。健康被害が明確に確認された例は、通常の摂取量では今のところ報告されていないようです。アスパルテームの発がん性分類のように、話題になったニュースもありますが、専門機関の間でも評価の粒度が分かれているのが実際のところでした。
腸内環境への影響も研究中
甘味料が腸内細菌に何らかの影響を与える可能性を示す研究もあるようですが、まだ結論が出ている段階ではなく、今後の研究次第で分かってくることも多そうです。
甘味料無添加のおやつを選びたいときは
「砂糖不使用」は「甘味料無添加」とは限らない
一番驚いたのが、「砂糖不使用」と書かれていても、代わりに人工甘味料が使われている商品があるという点でした。砂糖を控えたい人向けの表示のはずが、別の甘味料に置き換わっているだけのこともあると知り、注意が必要だと感じました。
原材料表示でチェックするポイント
「アセスルファムK」「スクラロース」「アスパルテーム」といった名前が書かれていないか確認するのが基本のようです。見慣れない片仮名の成分名が並んでいたら、一度立ち止まって見てみる価値がありそうです。
天然の甘みを活かしたおやつを選ぶ
はちみつやメープルシロップ、果物のピューレなど、素材そのものの甘みを活かしたおやつも増えているようです。甘味料に頼らない選択肢として、覚えておきたいと思いました。
手作りなら甘さを自分で調整できる
市販品に頼らず手作りする場合は、甘味料を使わずに、少量のはちみつや砂糖で甘さを自分好みに調整できるのも良い点だと感じました。
結局、砂糖やはちみつの方がいいの?
甘味料が不安なら、砂糖やはちみつに戻せばいいのでは、とも思いました。ただ調べてみると、どちらを重視するかによって答えが変わると分かりました。
カロリーや血糖値を気にするなら、砂糖やはちみつも立派な「糖」なので、この点ではステビア・ラカンカや人工甘味料の方が向いています。一方、「よく分からない成分を避けたい」という安心感を重視するなら、昔から食べられてきた砂糖やはちみつの方が選びやすいかもしれません。なお、はちみつは1歳未満の赤ちゃんには乳児ボツリヌス症のリスクがあるため与えられない、という点も覚えておきたいポイントです。
まとめ|甘味料は「今のところ安全、ただし知って選ぶ」
甘味料は、現時点では「危険」と断定できる強い証拠はない一方で、研究が進行中の分野でもあると分かりました。「砂糖不使用」の表示だけで判断せず、原材料表示までしっかり見ることが、無理なく付き合っていくコツのようです。
ただ、一つの食品に使われている甘味料が安全基準の範囲内だったとしても、その甘味料を使った食品を1日に何個も、それを毎日続けて食べていたら…と考えると、結局は食品表示を見ながら、少し量を控える意識も必要なのかもしれない、というのが今の私の正直な感想です。


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